2007年12月 7日

Tin Man #1 - Into the Storm

ティンマン(仮題)』 第1話

『オズの魔法使い』 をアレンジした全3話のミニ・シリーズ。タイトルの Tin Man は原作ではブリキの木こりのことでしたが...。

* * *

カンザスの何も無い田舎町に住むDGは、都会に憧れながらも食堂のウェイトレスとして働く毎日。だが、そんなDGは最近よく奇妙な夢を見るようになっていた。それは、見知らぬ女性が「嵐が来る」とDGに注意を呼びかけていたり、見たこともない風景が次々と現れたりするものだった。そんなある夜、巨大な竜巻がDGの家に向かってまっすぐに突き進んで来た。そして、その混乱に乗じて軍人らしき男たちがDGの家に乗り込んで来る。ワケが分からずパニックになるDGだが、両親はまるでいつかこうなることが分かっていたかのように落ち着いていた。そして、男たちから逃げすためだと言われ、DGは両親に無理やり竜巻の中に突き飛ばされてしまう...。

"向こう側の世界" から戻った部下の報告を聞く魔女アズカデリア。この世界を支配するために必要なエメラルドを探し求めていたアズカデリアは、千里眼を持つ半獣人ライロを脅して "向こう側の世界" に住むある少女がその障害となると予言させたのだった。その少女を抹殺するために部下を派遣したのだが、まんまと逃げられたと知り、怒ったアズカデリアは隊長を処刑して新たにゼロを隊長に任命する。

森の中で意識を取り戻したDGが周りを見渡すと、家の残骸はあるが両親の姿は無い。そしてふと空を見上げると、そこには二つの太陽が。竜巻に飛ばされた先がカンザスでないどころか、別の世界だと気づき愕然とするDG。しかも、そこに現れた小人たちに空から降ってきた魔女と間違われて生け捕りにされてしまう。小人の村で檻に入れられていたところ、アズカデリアの軍隊がやって来たと小人たちが騒ぎ出した。まだ遠くに見えるその軍隊とやらが、昨夜 家を襲った男たちだと気づいたDGは、一緒に檻に入れられていたグリッチという男と共に脱獄して逃げ出した。

そのグリッチとは、本人曰く大天才だとのこと。だがそれはかつての話で、今は脳を取られたためにその知識も記憶も定かではないようだった。ただ、ここがOZ(Outer Zone)と呼ばれる世界で、悪い魔女アズカデリアに支配されつつあることはDGにも理解できた。とりあえずDGは両親を探すため、グリッチは自分の脳を探すために、OZの中心であるセントラル・シティーを目指すことにする。

二人がしばらく進むと、とある一軒家の前で夫と妻、その子供らしき3人がアズカデリア軍の兵士に襲われていた。その家族を助けようと兵士に突っ込んで行ったDGだが、実体がなく素通りしてしまう。小さな装置を見つけたDGは、さっき見たのはホログラム映像だったと知る。そしてグリッチは、その装置を発明したのが自分だったような気がしていた。しかし、なぜ誰も通らないような場所で映像が流され続けていたのか? 周りをよく見ると、ブリキ製の人型棺桶が家の前に立てられている。近づいてみると顔の部分だけが透明になっており、DGがその中を覗き込んでみると、まだ生きた人間が閉じ込められていた。止め具を壊して棺桶を開けてやると、中から出てきたのはさっきの映像の夫だった。その男、ケインは妻子が虐待される映像をもう何年もずっと繰り返し見せ続けられていたのだ。

グリッチがセントラル・シティーに通じる黄色いレンガの道を忘れてしまったため、ケインに道案内して欲しいと頼むDG。だが、やっと自由になったケインは、妻子を殺した憎き仇ゼロへの復讐に燃えていた。ガキや脳無しは足手まといだと二人を冷たく突き放すケインだったが、助けてくれた恩もあり、仕方なく一緒に行動することに。しばらくして、3人は獰猛な生物の餌になりかけている臆病な半獣人を発見。助けられ仲間になったその半獣人ローは、ケインがこの世界でティンマン(Tin Man)と呼ばれる警官だったと見抜く。

やがて一行はミルタウンという町を通りかかる。知らないはずのその町に見覚えがあったDGは、そこが幼い頃に父からおとぎ話として聞かされた町だと気づく。ずっと架空の町だと思っていたが、両親はここの出身だったのか? 町の住民は半機械人ばかりだったが、DGはその中に両親の姿を見つけ再会を喜び合う。しかし、両親は実は自分たちもロボットで、DGの身を守るために一緒に "向こう側の世界" に送られたのだと明かす。そして、本当の母親を探すためには、セントラル・シティーにいるミスティックマンの手助けが必要だと言い、DGの手のひらに謎の印をつけるのだった。

"向こう側の世界" を透視した時にはよく見えなかった少女の姿も、OZに来た事でライロにはハッキリと見ることが出来るようになっていた。その正体がDGだと知ったアズカデリアは我が目を疑い、自分が幽閉した魔女ラベンダーアイズの元に向かうと、よくも私を欺いたなと詰め寄った...。

ようやくセントラル・シティーにたどり着いた一行はミスティックマンのショーに潜入。しかし、偉大なはずのミスティックマンは、ただのインチキ占い師に成り下がっていた。楽屋を訪ねたDGたちは、ミスティックマンの異変がアズカデリアのせいだと知る。だが、DGの手のひらの印を見た瞬間、ミスティックマンはかつての能力を取り戻す。北の氷原に向かうよう指示したあと、ミスティックマンは自ら囮となってアズカデリア軍を引き付け、DGたちを逃がした。

氷に覆われた宮殿を見つけ、中に入ったDGたち。そこに飾られた肖像画から、DGは夢に現れ警告してくれた女性が実の母親、OZの真の女王ラベンダーアイズだったことを知る。そして女王と共に描かれていたのはその側近らしきグリッチだった。かつてここで起こった恐ろしい出来事を透視してしまったローは、すぐに宮殿を出ようと怯えだす。ケインに促され、ローが鏡に映し出した透視を見るDGたち。そこに見えたのは実の姉に殺された、まだ幼い頃のDGの姿。そして、その姉こそが現在のアズカデリアであった...。

* * *

原作とはちょっと設定が違うので、「そこをそんな風に変えたのかっ」と思いながら観られるのも楽しいところ。でも、明るく楽しいって雰囲気ではないので、小さなお子さんが観るのはちょっと辛いかも...。

ティンマンって呼び名は、ブリキの棺桶に入れられていたからかなと思ってたら、警官って意味でした。半獣人のライロとローは同じ透視能力を持つ種族。ま、見た目はやはりライオンっぽいんですが。

DGを演じるのはゾーイ・デシャネル。TVシリーズ 『BONES』 でボーンズことブレナン博士役のエミリー・デシャネルの妹です。ついでに言うと、このデシャネル姉妹の母親は 『ツイン・ピークス』 でドナのお母さん役だったメアリー・ジョー・デシャネル。

その他の出演者は、ティンマンことケインにはリメイク版 『ヒッチャー』 のニール・マクドノー。グリッチは 『ロミーとミッシェルの場合』 のアラン・カミング。ローは 『アポカリプト』 のラオール・トゥルヒロ。アズカデリアは 『ビバリーヒルズ青春白書』 のキャスリーン・ロバートソン。ゼロは 『バトルスター・ギャラクティカ』 のカラム・キース・レニー。そして、ミスティックマンはリチャード・ドレイファス。

Tin ManTin Man [2007]

Zooey Deschanel, Neal McDonough, Alan Cumming, Kathleen Robertson
アメリカ盤DVD
Rhi Entertainment 2008-03-11

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